『讃美歌』 461番
「主われを愛す」

 これは日本中の教会学校の子どもたちに愛唱されている讃美歌です。そして、大人もたくさんの人が愛唱しています。荒川教会の修養会で、80歳を越える信徒が、若い頃に宣教師にならったといって英語でこの歌を歌ってくださったことがあります。また何という映画であったか忘れましたが、ホイットニー・ヒューストンがゴスペル調にアレンジして歌っていたのも思い起こします。私も子供の頃から親しんだ大好きな讃美歌です。

 この讃美歌の原詩を書いたのはアンナ・バーレット・ウィナー(1820-1915)というニューヨーク州の女性です。姉スーザンは作家で、この詩は最初、姉の小説の中で、主人公の男性が今まさに息を引き取ろうとしている男の子にこの詩を読んで聞かせるという場面で紹介されたものでした。この小説がベストセラーになったこともあり、この詩に曲がつけられたそうです。

 作曲者はウィリアム・バチェルダー・ブラッド・ベリー(1819-68)ですが、この人はアメリカ讃美歌の歴史上最も重要な人だと言われています。とくに子どもたちに音楽を与えた功績がたたえられている人です。彼によって曲がつけられた「主われを愛す」は、発表されるとすぐに全米で愛唱されるようになったということです。

 また、この讃美歌は日本最古の讃美歌でもあります。1872年(明治5年)に聖書翻訳委員会設置のための宣教師委員会が横浜で開かれました。その会議の中で、そろそろ日本語で歌う讃美歌も必要であるということが言われ、この讃美歌の試訳が示されたそうです。1年後、それをもっと歌いやすくした詩が富士見町教会初代牧師の植村正久師によって紹介されました。彼は日本のプロテスタント教会の形成と確立に指導的な役割を果たした人です。

 その詩を紹介しましょう。

 耶蘇(やそ)われを愛す 左様聖書は申す
 帰すれば子等(たち) よわいもつよい
 はい耶蘇愛す はい耶蘇愛す
 はい耶蘇愛す 左様聖書申す

>> 戻る 


お問い合せはどうぞお気軽に
日本キリスト教団 荒川教会 牧師 国府田祐人 電話/FAX 03-3892-9401  Email:yuto@indigo.plala.or.jp