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私が大正琴を習い始めてからはや六年が経とうとしています。
世の中にいろいろな人がおりまして、自分の気に入らないことや、他の人たちが何かすることなすことをいつも不平や不満で怒りっぽく、大きな声で反対ばかりです。私はいつも金曜日のお稽古日には何もお話もせず、黙ってばかりいるからです。彼女にとってはちょうど手頃だったのでしょう。
「戸の開け閉ては静かに」、またお仲間一八人の座布団を引くのも「ばたん、ばたんしないように。一人一人机の下の中程に敷くように。そうしないと誰かが足に引っかかって転ぶでしょう」と注意されたり、たまに私が先生に「今日はうまくひけましたね」と誉められれば、彼女は後で「先生はいつもTさんをひいきにしている」とぶつぶつ言われます。
しかし、私たち教会に育つ者は、み言葉によって、人を赦しなさいと教えられています。神様のお恵みのうちに従順にことを運んで月日が経っていくうちに、いつの間にか彼女の心も変わってみなさんに親切になっていたようです。こういう人こそ信仰の道に入ってくれれば良いなと祈っております。 |
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