ボアズとの出会い

 ボアズがベツレヘムからやってきて・・・

旧約聖書 『ルツ記』2章4節

 出会いの妙

 三浦綾子さんが、夫になる光世さんと初めて出会ったのは療養8年目でギブスベットに仰臥の身の時のことでした。しかし、二人で話し合ってみると、かつて二人は毎日同じ道を歩いていたそうです。しかし、その時、二人が出会うことはなかったのです。三浦綾子さんはそのことをこんな風に書いています。

 「もしも天から神様が、私たちの通う九条通りを眺めていたとしたら、いったいどう思われたことだろう。わたしが通り過ぎた後、数十分ほどして三浦が通るのを、ニヤニヤしてごらんになっていたかもしれない。『あの二人は、将来夫婦になるのだが、かわいそうに、いましばらくのしんぼうだな』」

 すれ違ったり、出会ったり、本当に人生とは分からないものです。ルツとボアズの出会いもそうです。ルツは、「たまたま」ボアズの畑で落ち穂拾いをしていました。そこに、「ちょうど」ボアズがベツレヘムから出てきて、ルツに目を留めたのです。

 人生を導く神

 神様は導く神です。ルツが、神様に導かれて出会ったボアズとは、ヘブライ語で「あがなう人」という意味があります。「あがなう人」とは、その人の代わりにすべて買い取って、面倒を見てくれる人のことです。

 ルツは、そしてナオミも同じですが、このような人との出会いをまったく考えていなかったでしょう。貧しく落ちぶれてしまった女二人が糊口をしのぐためにはどうすればよいか、それ以上の事など考えるゆとりはなかったはずなのです。

 しかし、神様はそれ以上のことを二人のために考えていてくださったのでした。私たちも、今ある不幸せが人生のすべてであるかのように思える時があります。しかし、神様は、常に私たちの将来の幸せを考え続けてくださっています。希望がここにあります

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